早朝3時、小樽港に到着。
レンタカーを借り、奥さんと二人で交代しながら運転してきたものの、ほとんど眠っていないボケボケの脳味噌で受付をする。
係員さんによると、注意事項が2つあるらしい。
一つは「ドアロックができません」。
ガーン。不良品か?
などと一瞬思ってしまった。わざわざキャンバスドアのジムニーを探してたのはどこの誰やねん。キャンバスドアだから、盗まれそうな物や紛失したら困る物は車内に置かないようにしようと思って専用バッグまで用意してたのは誰だ?(^_^;
二つ目は「バッグギアに入れるときには、シフトレバーを押しながら入れて下さい」。
知らなかった。そんなことしないと下がれないのか。この注意事項の伝達が無ければ、後ろに下がれないところだった(^_^;
キーを受け取り、うきうきしながらフェリーに乗り込み、SJ-10君とご対面。さあ、初運転だ。と思ったら、ドアノブが初めて見る形。そりゃそうだ。キャンバスドアを近くで見ること自体が初めてなんだから。奥さんも「どうやって開けるんだ?」などと言っている。珍しいだけで簡単な構造だから、あっという間に開け方は分かったけど、まずはカルチュラルギャップ第一段。
実際に動かしてみると、ちとシフトが入れにくい。クラッチに遊びがなくて半クラッチがしにくい。半クラ好き(?)の俺としては、ちと気になる。
外に出て、あらためて見てみると、ボロい(^_^;
まあ、昭和51年車だから、ボロくて当たり前なんだけど。車いじり担当の奥さんも、先が思いやられるって顔で、「後悔はしてないけど、反省はした」なんて言ってる(^_^;
とりあえず、使い方チェック。
ハンドルの横にはレバーが1本しかない。それを上下に動かすとウィンカーがつく。それは当たり前。でも、ライトを点けるようなものがついてない。パネルに並んでる変な出っぱりの一つを引っ張ってみると、ライトが点いた。カルチュラルギャップ第二段(^_^;
他の出っ張りは、ワイパーとか、ヒーターとか。出っ張りを押したり引いたりしてみる。おもしろい。
でも一つ、ウォッシャー液マークがついてる出っ張りだけは、形も違うし、引っ張れない。押してみると、ピュッと液体が飛び出てきた。でも一瞬で終わり。なんだべ?
今度はゆっくり押し続けてみる。やっぱり一瞬で終わり。奥さんが続けざまに押してみると、それに合わせてピュッピュッと飛び出てくる。
カルチュラルギャップなんてもんじゃない。手動ポンプだなんて、うちら夫婦の想像できる範囲をはるかに超えていた(^_^;
と、数々の驚きを残したまま、とりあえずレンタカー屋さんが開く時間まで仮眠をとる二人であった。
というわけで、朝8時。奥さんを叩き起こしてレンタカー屋へ向かう。
奥さんがレンタカーに乗って先行する。とりあえず駐車場の出口付近で待つ奥さん。シフトチェンジがまともにできずに、クラッチを踏んだり離したりするばかりで、ろくに前に進めない俺。
俺、こいつとうまくやっていけるんだろうか?
何とかレンタカー屋までたどり着き、奥さんを乗せて小樽の街を走り出す。
あいかわらずシフトチェンジはぎくしゃくしているが、騒音の中で大声で会話したり、ワイパーやウォッシャー液をいじったり、路面の凸凹を肌で感じたりしているうち、ものすごく楽しくなってきた(笑)
これこそが車の運転だよなぁ。「車に乗ってる」んじゃなくて、「運転してる」って実感できる。これは本当に楽しい。んなことやってるうちに、早くも愛着がわいてきて、9年付き合ったビッグホーンよりもはるかに「愛車」になってしまった(^_^;
街を出て、田舎道を4速に入れたまま走っていると、奥さんが突然何かを叫んだ(叫ばなきゃ声が聞こえない)。
「ちょっと、80キロ出てるよ!」
やばいやばい。13年前に乗っていたジムニー(SJ-30)のエンジンを焼き付かせたことのある俺は、その時に修理工場のおじさんに言われた「この車は、70キロ以上出したら駄目だ」の言葉をしっかり守ろうと心に決めていたのであった。
とある雑誌には「マフラーを変えたら80キロも出るようになった!」なんて書かれてたし。そもそもスピードメーターの表示も、80キロから赤く書かれてる(笑)
70キロキープを心がけて運転するものの、油断をするとすぐに80キロになってしまう。でも、すぐに出てしまうということは、エンジンの回転に余裕があるってことだよな。エンジン音もストレスを感じない良い音出してるし。
もしかして、このエンジン、すごいかも。
それでも70キロキープで走っていると、後ろに車の列ができてしまった。よそではどうか知らないが、北海道の郊外には、ドライバー公認(警察未公認)高速道路があちこちにある。その高速道路を70キロで走ってたら、当然つまってくるわな。
というわけで、車を左によせて、抜きやすいようにしてあげる。こんなの13年ぶり(^_^;
思えば2台目テラノも、3台目ビッグホーンも速くて快適だったなぁ(笑)
そして、北海道有数のきつい峠を越えていく。
さすがに登り坂はきついようで、ときどき3速に入れなきゃなんない。で、やっぱり後ろの車を気にしながら走らなきゃいけない(^_^;
それでも結局、トラブル無しで、無事、峠越えを果たした。
奥さんも、2〜3回は止まることを覚悟していたと言い、「これは意外と拾い物かもしれない」とか言う。
このジムニー、外見はボロだった。あちこちに穴は開いてるし、マスキングしないで色を塗ってるし(笑)
でも、エンジンは優れもの。
乗り心地は悪いし、うるさいけど、とにかく楽しい。運転してても楽しいし、これからのプランを話していても楽しいし。
結局のところ、見た目はボロだろうが何だろうが、うちら夫婦にとっては良い買い物をしたってこと。
これから、どんどん楽しんでいくぞ!(笑)
※「奥さん」は、すべて「元奥さん」と理解してください。